第一生命保険では、6月30日に総代会(株式会社における株主総会に当たる)を開き、2010年4月に株式会社化することを正式に決定したという。
大手の保険会社では、株式会社となるのは初めてのケースだ。日本生命、明治安田、住友生命、そして今回株式会社化する第一生命の4大保険会社は、相互会社という形態を取っている。
相互会社というのは、保険契約者が会社の構成員(=社員)となる社団法人だ。株主会社における株主に当たる出資者は、保険契約者なのである。株式会社では、消費者(お客様)のほかに株主の利益も考えなければならない。しかし、相互会社であれば株主の利益を考えなくていいというメリットがある。
それならば、なぜ株式会社化するのだろうか。その理由は、資金調達の選択肢が増えるからである。株式を発行することで市場から広く、機動的な資金調達ができるわけだが、そこで集めた資金は返済する必要のないものだ。しかし、相互会社が資金調達を行う場合、返済が原則である基金や劣後ローンなどに限定されることとなる。
また、株式会社となった場合、相互会社では法令上制限されてきた無配当保険を制限なく販売することができるというメリットもある。
ただし、株式会社化することによるデメリットもある。株式会社となることで、保険契約者は「社員」ではなく「顧客」に変わる。社員ではなくなるため、代表である総代を通じて持っていた経営に対する影響力は失われることとなる。上場した場合には、経営内容について投資家から監視されることとなる。株価の変動による影響を受けることにもなる。
そして、相互会社では利益の一部を配当として契約者に還元しているのだが、株式会社化することにより、株主への配当も考えなければならないわけだ。
契約者と株主、双方の利益を考えた経営を行う必要があるだろう。ちなみに、株式会社化に関する専用ホームページが開設されているので、気になる人はチェックしておこう。 ![]()
